社会の変化

“従来通りの働き方のまま、望む人生を送ることは困難ではないか?“
近年、そんなふうに感じ始める人が増えたように感じます。
背景にあるのは、社会の大きな変化でしょう。
少子高齢化による、労働人口の減少。
働く人一人あたりにかかる負担というのは、非常に大きくなりました。
連日、終電ぎりぎりまで仕事で追い込まれ、深夜に帰宅し、早朝には出勤。
疲労は蓄積される一方で、休日には泥のように眠る日々の繰り返し。
身体的、肉体的疲労から、うつ病を発症する人も増え、社会問題になったのも記憶に新しいでしょう。
このような状況下で、本来、私たちが仕事よりも大事にしたいこと、
- 自分の趣味を充実させる
- 仲睦まじい結婚生活を送る
- 夫婦で協力して子育てをする
- 両親や家族の手厚い介護をする
そういった望みを叶えることが難しく感じられるシーンが増えたのです。
そもそも私たちの生活は、特に妊娠・出産、家族の介護などをきっかけに大きく変わってしまうものです。
それにも関わらず、長い間、働き方が個人の事情を考慮し、寄り添ってくれることはありませんでした。
この悪習とも言うべき古臭い働き方に従えないのであれば、
働くことそのものをあきらめざるを得ない・・・
そんな常識が大きく変わり始めた証に、2019年4月から、働き方改革関連法が施行されました。
それによって、古臭い働き方に従えない個人を切り捨てるのでなく、
個人のそれぞれの事情を尊重し、働きたい人が働きやすい世の中にしよう
という方向性に、社会全体がシフトチェンジを始めたのです。
国の後押しもあり、多くの企業がこれを機に、従来の働き方を見直し、新しい体制を整えていこうとしていた矢先でした。
2020年、突如として在宅ワーク時代への移行を余儀なくされます。

世界中を新型コロナウイルスの流行が襲ったのです。
これによって、日本でも多くの企業が急遽、在宅ワークを導入することになりました。
既に在宅ワークを取り入れていた一部の企業や個人を除き、多くは混乱に陥りました。
在宅ワークが従来の働き方とどのように違うのかということを、正しく理解できていなかったためです。
しかし、これはむしろ幸運なことでもありました。
在宅ワークという働き方を正しく知り、活用していくことができれば、
社会が目指す新しい働き方―それぞれの個人に合った働き方を実現していけるからです。
在宅ワーク時代の到来は、望む人生を送っていくための可能性の広がりを示しているのです。
在宅ワークとは
自宅でテレワークを行うことを、在宅ワークと言います。
テレワークとは、オフィス以外のインターネットの環境が整っている場所で働くことを指します。
働く場所は自由です。
図書館や、カフェ、コワーキングスペースなどでテレワークを行う人もいます。
ちなみに、リモートワークというのもテレワークと同じ意味です。

在宅ワークに必要なもの
在宅ワークにはパソコンと、インターネット環境が必須です。
あとは、仕事の関係者とのコミュニケーション用のアプリケーションがいくつかあれば成立します。
現代では、たくさんの画期的なアプリケーションがあります。
おかげで私たちは、世界中のどこにいても、リアルタイムで、お互いの顔を見ながら会話ができるようになりました。
アプリケーションについて、詳しくはLesson5-1で説明をします。
在宅ワークの仕事のすすめ方
快適に在宅ワークをこなすためには、工夫が必要になってきます。
なぜなら、自宅とオフィスとでは、物理的にも精神的にも環境が違うからです。
その違いを理解して、解決に取り組むことは、仕事の成果にもつながります。
詳しくはLesson4-2、Lesson4-3で説明をします。
従来とは異なる働き方なので、慣れるまでは少し大変だと思います。
段取りや、注意ポイントも、今までとは違います。
でも、そのことを理解していれば大丈夫です。
色々試してみながら、在宅ワークを行うための地盤作りをしていきましょう。
在宅ワーク時代の常識
在宅ワーク時代が始まったといっても、
選べるのであれば、人によっては、オフィスの方が働きやすいこともあります。
また、製造業など、職種によっては在宅ワークは行えません。
これからは、在宅ワークを行う人とそうでない人たちが出てくるのです。
そのため、すべての人が在宅ワーク時代を生き抜いていくために、これまで仕事の常識とされていたことを見直す必要があります。
これまで、仕事と言えば
- 残業を頑張っていること
- 人当たりが良いこと
といった部分が評価されたりしていました。
しかし、本来、仕事にとって一番大切なことは、成果を出すことではないでしょうか。
在宅ワーカー同士、またはどちらか一方が在宅ワーカーの場合、相手の「残業を頑張っている姿」なんて見えません。
目に見えるのは、仕事の成果のみです。
さらに、在宅ワーカーとのコミュニケーションは、テキストがメインです。
人当たりが良いことよりも、簡潔で適切な報告・連絡・相談をしてくれる部下や同僚のほうが重宝されるでしょう。
在宅ワーク時代の常識はシンプルに、「仕事は成果を出すもの」だということを肝に銘じておいてください。
成果を出すために必要不可欠なこと
成果を出すために必要なのは、仕事関係者との円滑なコミュニケーションです。
どんな仕事でも、たったひとりでやっているわけではありません。
アプリケーションを用いて、関係者への適切な報告・連絡・相談を行うようにします。

まとめ
個人それぞれの事情を尊重し、働きやすい世の中へシフトチェンジしていっている最中で、突如、在宅ワーク時代が急加速で始まりました。
従来の働き方との違いをよく理解して、地盤作りを行っていけば、
在宅ワークの実現により、それぞれの個人に合った働き方を叶えることができるのです。