Lesson2-5 在宅ワークのための環境づくり<基本編>

前のページでは、在宅ワークにおける仕事の進め方を具体的な方法をあげて学びました。
このページでは、在宅ワークのための環境づくりを学んでいきます。

快適なデスクワーク環境を整える

在宅ワークは、ほとんどの場合がデスクワークだと思います。
そこで避けて通れないのが、腰痛や肩こりの問題です。

人間の身体は、直立二足歩行をするのに適した構造をしています。
つまり、私たちにとっては、立っている状態が一番快適なのです。

そんな身体の構造に対して、終始無理な体勢となっていることが原因で、腰痛や肩こりは発生します。
逆に言えば、立っている時の姿勢を維持できるようにすれば良いのです。

デスクワークでの理想の姿勢

デスクワークでの理想の姿勢とは、以下の状態を指します。

  • 骨盤が前にも後ろにも傾いていない
  • 顔が正面を向いて首がまっすぐしている

骨盤が前後どちらにも傾いていないと、
椅子に座った時、座面に対して背骨は垂直状態です。

そうでない場合、背骨は前かがみに丸くなっているか、
のけぞったような状態になります。

また、骨盤が傾いていなくても、頭だけが前に突き出して、
首が丸くなっている状態は良くありません

デスクワークでの理想の姿勢

理想の姿勢を維持するために

理想の姿勢を保ったまま、仕事を行えるように次の工夫をしましょう。

クッションなどで正しい姿勢をサポート

腰と椅子の背もたれの間にクッションなどを挟み込むと、
骨盤が傾かないようにサポートできます。

また、最近では、座面に乗せるタイプの骨盤サポートクッションもあるので、
そちらを使ってみても良いかもしれません。

足裏が床から浮かないようにする

足裏が床から浮いている状態で仕事をすると、身体が安定しません
その分、身体の他の個所に負荷をかけてしまいます。

座面の高さが調節できる場合は、足裏が床に着くように調整しましょう。
それができない場合は、足置き台を設置すると良いです。

肩に力が入らない机の高さにする

肩を自然に落とした状態で、キーボードが打てるような机の高さにしましょう。
同時に、腕が楽に届くような位置に机とキーボードを配置しましょう。

また、椅子に肘置きがない場合は、机に腕を乗せるようにします。

目線よりやや下にモニタ設置

顔が正面を向いて、首をまっすぐしている状態で、軽く見下ろせる位置にパソコンのモニタを設置しましょう。

モニタは、できれば大画面のほうが見やすいです。
また、自分とモニタとの距離は40センチ以上空けるようにしましょう。

家具を新調するときにおすすめ

立ったまま仕事ができるような机も販売されています。
スタンディングデスクというものです。

また、長時間座って作業することを想定して設計された、ゲーミングチェアというものもあります。

買い替えを伴いますので、資金は必要ですが、家具を新調したい方におすすめします。

インターネット環境を整える

在宅ワークを円滑に行うためには、インターネット環境も整えておきましょう。

多くの人が気にするのが、オンライン会議中にインターネット接続が切れてしまわないかということでしょう。

原因のひとつは、無線LANの使用です。
無線LAN接続では、設置しているルーターから電波を拾って通信を行っています。

飛んでくる電波とパソコンの前に、扉や壁があったり、人が通ったりすると、
うまく電波を拾えなくなってしまうことがあります。

また、電波干渉によって、通信速度が遅くなるということもあります。

そういう時、接続が不安定になるのです。
ルーターの設置場所を工夫してみたり、電波干渉を回避するルーターを購入するなどして、改善を試みましょう。

仕事に関係のないものは周りに置かない

在宅ワークに取り組む際、自分の周りには仕事に関係のないものを極力置かないようにすると良いでしょう。
近くに漫画や雑誌が置いてあれば、つい手に取って読んでしまうかもしれません。

もし可能であれば、仕事専用の部屋をつくってしまうこともひとつの手です。

家族の協力を得る

ひとり暮らしでない場合、在宅ワークに集中するためには、
同居する家族などの協力が必要です。

仕事中は静かにしてもらったり、声をかけないでもらえるようにお願いしておきましょう

この「お願いをする」という姿勢が大事です。
在宅ワークは、彼らにある程度の負担をかけるということを忘れてはいけません。

協力してもらうだけでなく、自分からも誰もいない部屋で仕事をしたり、
電話や会議の際は別室に移動するなどの気遣いを忘れないようにしましょう。